おむつなし育児とからだのあれこれ

2人目でおむつなし育児にどハマりしてアドバイザーになりました。普段は看護師、助産師として働いています

ジブリ映画にみたおむつなし育児

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今や生まれた直後から赤ちゃんに対してあたりまえに使用しているおむつですが、世界中どこを見ても同様かといえばそうではないようです。

おむつ、とりわけ紙おむつが普及しているのはわれわれの住む先進国が中心であり、発展途上国ではいわゆるおむつというものはほとんどつけずに育つ地域もあります。

排泄したそうなときは、母親が降ろして介助するのだそう。

 

日本でおむつ(この場合は布)が使用されるようになったのは江戸時代になってから。さらに紙おむつが一般庶民に普及し始めたのは昭和50年代のこと。

昭和50年代といえば、今から約40〜50年くらい前でしょうか。

私は30代前半ですが、だいたい我々の祖父母世代前後の人たちの子育ての時期から急激に紙おむつが普及し始めたということですね。

そこから時を遡り、紙おむつが急激に普及するちょいと前の昭和30年代の母子手帳にはいまだ、1歳半の欄に「大小便を予め教える」と記載があります。(画像参照)

また、その頃の女性向けの雑誌には、布おむつを用いながらもおむつに頼りすぎない育児(=0歳児からの、おまるを用いたおむつなし育児)が実施されていることが記載されていたようです。

 

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1歳半の欄にご注目



 

この母子手帳内の「しつけ」というものは、やり手水やおむつに頼りすぎない育児、ということになるのでしょうか。とても興味深くありませんか?

お手元にある現代の母子手帳と比較してみるのもいいかもしれません。

 

 

さて、先に述べたように、日本でおむつが使用され始めたのは江戸時代に入ってから。

それ以前は、布というものが高価なものであるため、布おむつも使用せずに赤ちゃんは過ごしていました。

ここから現代に至るまでおむつ、というか排泄物を吸収させる役割をもつアイテムは様々なものがあったようですが、それはまたいつか。

 

布が高価だから使用できないというのは、赤ちゃんに限ったことではなく大人も同じで、戦国時代などは戦死者のふんどしの有無でその者の身分を判断していたそうですよ。

 

私が好きなジブリ映画の一つに、高畑勲監督の『かぐや姫の物語』があります。

あの映画は、平安時代初期に成立した日本最古の物語と言われる竹取物語をとりあげているものですが、平安時代初期からみた「今は昔」なので、時代背景ははっきりしないものの、奈良時代あたりかと考えられています。当然おむつがない時代ですね。

 

この、『かぐや姫の物語』では前半、竹取の翁がひかり輝く竹の中から小さなかわいらしい姫を見つけ、自宅へ連れ帰り嫗とともに育てていく過程が描かれています。

その中では、ハイハイするころの赤ちゃん時代の姫が登場するのですが、その赤ちゃんが本当によく描かれていてかわいくてかわいくて、赤ちゃんが好きすぎる私はその姫を見ただけで涙腺が緩んでしまいそうになるのですが、その赤ちゃん時代の姫はおむつを全くつけていません。

上半身に今でいう短肌着のような着物を着せられていたかと思うのですが、下半身は何もつけず、ふわふわのおしりが出ている状態です。それもごく自然に。

きっと高畑監督は当時の時代背景などはよく調査の上映画をつくっておられるでしょうから、日本でもこの時代はこんな風にして赤ちゃんが育っていたんだなぁ、ということを実感できます。

 

ちなみに映画内では、その後少女に成長したかぐや姫が、泣いてしまった赤ちゃんをさらしのような一枚布でひょいっと上手におんぶをするシーンも出てきますよ。

 

おむつのことから話は逸れてしまうのですが、好きなシーンの多いかぐや姫の物語でもう一つ好きなシーンがあり、それは嫗が小さな姫を抱いて翁と乳母を依頼しにいくところ。

母乳の出ないはずの嫗ですが、歩いている最中にふと自分に母乳がわいていることに気づき、おっぱいをさしだします。

これを見て「ああ、嫗もあの、おっぱいがわいてくるときのつーんとした感じを持ったのかしら・・・すごくそれっぽい」と、映画の表現力に感動したものです。笑

 

 

今、手元にDVDがないので記憶を辿って書いてはいますが、『かぐや姫の物語』、赤ちゃんを育てているママさんにはキュンとくる部分がたくさんあり、映像も音楽もとても美しいのでぜひご覧になってください。

おむつなし育児をしている方は、おしり丸出しのかわいい赤ちゃんに嬉しくなると思います。