そもそもおむつなし育児とはなんなんだ?
「おむつなし育児って、おむつを全くつけないの?」
「ということは、垂れ流し状態?!」
「0歳からトイレトレーニングなんて・・・」
と当然思いますよね。
おむつなし育児が受けやすい誤解です。ネットで検索してみても、ちょっと的外れな情報サイトが出てきたり。
おむつというのは大人の事情で使用するものなので、赤ちゃんにとっては裸んぼであるに越したことはないのかもしれませんが、実際いつでもそこら中におしっこやうんちをされちゃうとちょっと(いや結構?)困ります。
本来人間、というか動物は開放された空間で、体から排泄物が離れるように用を足すもので、いつまでも自分の体に排泄物を意図的にくっつけて生活しているわけではありません。
生まれたばかりの赤ちゃんが泣いたので「おむつが濡れたのかな?」と、おむつをあけてみると途端にピューっとおしっこする現象。
新生児のお世話をしたことがある方ならほぼ遭遇したことがあると思うのですが、あれは本能的なもの。
すっかりおむつで排泄することが常識になっている日本の赤ちゃんだって、はじめはそんな本能を忘れていないのです。
だけど、新生児は1日に20回以上排泄することなんてザラだし、やっぱりおむつをつけてもらった方が都合がいい。
しょうがないのでおむつを使用することにして、1年、2年とおむつの中だけで排泄することを続けます。赤ちゃんにとってもそれが当たり前になり、習慣になる。
それをある日突然「今日からここ(トイレ)でおしっことうんちをするのよ」と宣告され、トイレトレーニングなるものを開始することになるのです。
大人はもうすっかりトイレという開放空間で排泄することが習慣になっていると思いますが、ある日突然別の場所でしてくれ、と頼まれた時できるでしょうか?
習慣・条件反射というのは手強いですよ。
私は趣味でサーフィンをするのですが、冬なんかは特に、海の中にいるときに尿意を催したりします。そうすると、海の中で排尿しているサーファーというのは結構な数いるので自分も試みるのですが・・・
出ない。
どんなに意識を膀胱やその周辺に集中させても、出ない。
高まる尿意の中、向こうから波がやってくる。
「ああどうしよう、全然集中してサーフィンできないしおしっこもしたすぎる!!!!」
と悶絶した経験があります。笑
それをぜひ体感したい!という方は、紙おむつでもはいてトイレ以外の場所で排尿してみてもいいかもしれません。
これは子どもも同じなんです。
なので、トイレトレーニング中におむつの中に排泄して「なんでトイレでできないの?」と思ってしまったり、口に出してしまう親御さんもいると思うのですが、これは子どもにもどうにもできないのです。開放空間で排泄するということが、普段の習慣とは違うから。
それを克服するためには、どうしても必要なステップがあったりするのですが、まず、開放空間で排泄するという本能の部分を生まれたばかりの赤ちゃんが失わず、「排泄物が自分の体から出ている」感覚を認識できるように関わり、介助をする。
これがおむつなし育児です。
トイレでさせるためにトレーニングをするわけではありません。
おむつなし育児は、おむつを全くつけないとか、布おむつでなければだめとか、それこそ四六時中排泄のことを考え赤ちゃんを見張らなくてはいけないとか、そんな難しいことではないのです。
おむつの助けを借りながらも、時々は開放空間で排泄させてあげる。
それだけでもいいのですよ。
私が思う一番簡単なおむつなし育児は、おむつを開けた途端にピューっとするおしっこ。
あの時大抵「わーっ!」となってパッとおむつをおまたにあてて、おむつにおしっこを吸収させますよね。
それをやめて、「出たね〜♩気持ちいいね♩」と声をかける。
よく、「生まれたばかりの赤ちゃんに何を話しかけたらいいかわからない」ということに悩みご自分を責めてしまうママさんがいるのですが、これで一つの立派なコミュニケーション♩
少しばかり周囲に飛び散るかもしれませんが、おっぱいしか飲んでいない赤ちゃんのおしっこなんて、単体ならにおいもほとんどないし、キレイなものです。ちょっと拭けばいい。
どうでしょう、これならできそうじゃありませんか?